5円玉と10円玉がピンチに陥っています。これらの硬貨には多くの銅が使われていますが、その銅の価格が急上昇しているため、製造コストが額面に迫っているのです。
5月17日付の日経速報ニュースによると、5円玉の製造コストは額面の94%、10円玉では8割近くまで上昇しています。実際、金属大手「JX金属」が発表する銅の価格(建値)は9年前の約2倍となっており、その背景には世界的なカーボンニュートラルの波があります。
再生可能エネルギーとして期待されている洋上風力発電では、海底の送電ケーブルに大量の銅が使用されます。また、普及が見込まれている電気自動車(EV)やその給電設備にも銅が必要です。
こうした需要が銅の値上がりの背景にあります。日本銅センターの幹部によれば、「値上がりの背景にはこうした実需があると分析できます」とのことです。
材料の値段が硬貨の額面を上回ると、何が起きるのでしょうか。過去には、硬貨を溶かして売却する事例がありました。硬貨を溶かしたり傷つけたりすることは処罰されますが、外国に持ち出して精錬することは国外犯規定がないため、この限りではありません。
1980年代には、米テキサス州の石油富豪が銀を買い占めて価格が8倍以上に暴騰した際、日本の「稲穂100円硬貨」が大量に国外に持ち出され、流通量が枯渇したことがありました。
大蔵省(現財務省)は、こうした銀不足を見越して、1960年代後半から100円玉を白銅に切り替えています。もし銅などの材料費が額面を超えてしまったら、別の材料で新しい5円玉、10円玉が発行されるのでしょうか。

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異世界転移なろう小説で大容量焼酎ペットボトル入りの大量の1円玉(アルミ)で無双する話あったな・・・
戦時中に陶器の貨幣があったそうだな